SUレター

相続事業承継と国際税務のSUパートナーズ税理士法人

国際税務Vol.15 中国に出向者を派遣する前に ~PE問題でつまずかないために~

中国に出向者を派遣する前に   

~PE問題でつまずかないために~

国際税務Vol.15

 

 

こんにちは。

 

国際税務を担当していると、

PE(Permanent Establishment)の問題に直面

することがあります。

特に中国との租税条約は独特な内容のため、

他の国では見られないような苦境に陥ることもあります。

 

さて今週は中国のPE問題がテーマのSUレターです。

 

PEとは

近くて遠い国中国。

日本人のビジネス感覚とは異なる場合もいろいろとあり、

中国と取引を行う場合は細心の注意が必要です。

 

近年PE(Permanent Establishment - 恒久的施設)認定の手法を使うことにより、

中国の課税権を拡大する事例が多くあります。

PEとは、事業を行うために設けた一定の施設もしくはそれに準じるものをいいます。

具体的には、支店、事務所、工場等です

中国の非居住者企業が稼得する所得については中国国内にPEがあり、

かつその所得がPEに帰属するものである場合に、

中国はその所得に対する課税権を持つことになります。

 

中国のPE問題で厄介なのは、

PEの範囲に「コンサルティング役務の提供」が含まれることです。

 

日本企業が中国に人員を派遣し、

技術支援サービス等のコンサルティング役務の提供を行う場合、

その期間が12ヶ月のうち6ヶ月を超える場合には、

中国におけるPEと認定されるのです。

(この6ヶ月というのは一単位のプロジェクトだけを基準とするほか、

複数の関連プロジェクトを全体として認識される場合もあるので注意が必要です。)

 

日本企業は単に出向として送り出したつもりでも、

中国側でPEと認定されると個人所得税の他に企業所得税

営業税といった本来出向とは無関係のはずの税金まで課税されることになります。

 

対策としては?

ではこのようなPE認定を避けるためにはどのような対策を講じたらいいでしょうか。

国税務当局が発行した通達によると「PEを構成しない場合」として、

①子会社の要請による子会社のための人員派遣であること

②その出向者が子会社に雇用されていること

③子会社がその出向者の業務に対して指揮権を有すること

④その出向者の業務への責任及びリスクが子会社により負担されていること

といった要素を挙げています

 

逆に言うと、出向元親会社が出国者に対し指揮権を有し、

関連するリスク及び責任を負担し、

その給与を負担している場合にはPEとして認定される可能性が高くなります。

 

したがって、中国に出向者を派遣する際は事前に入念な出向契約書を作成して

当局からの追及に対応できるようにしておく必要があります。

 

PE問題以外にも…

PE問題だけに限らず、中国には様々な通達が存在し、

その解釈も曖昧で現場の担当官の裁量によるものも多いため、

時には不当な課税を強いられるケースも存在します。

中国においてビジネスを行う場合には専門家を交えての入念な準備が必須となります。f:id:supt:20171005114015j:plain

相続・事業承継Vol.15 株価が3種類もある!?~パート2~

株価が3種類もある!?~パート2~

相続・事業承継Vol.15

 

こんにちは。SUパートナーズ税理士法人の乾で

す。

 

 

先月は自社の株価の計算方法について書きましたが、

よくわからなかったという方も多かったと思います。

 

税理士でも簡単とは思えないのですから当然です。

「株価はいくつかの計算方法があるのだなぁ」

とだけでも理解しておくだけでも良いと思います。

細かいことは税理士がやります。

 

そして、「株価は自由には選べません!」

・・・が、ある程度コントロールができる面もあります。
相続や事業承継のお悩みの方は、

ぜひ弊社へご相談いただければ検討させていただきます。

 

さて今月お伝えしたいのは

「非上場会社の株価は取引の状況により3つある」

ということです。

「え~!!!計算方法が複数ある上に更に3つもあるだって!」

という声が聞こえてきそうです。

 

株式を動かす方法の3パターン

株式を動かす方法には、

①譲渡②相続・贈与

の2種類がありますよね。

さらに①譲渡には、相手が個人の場合もあれば法人の場合もあります。

つまり、

①譲渡(個人との取引の場合)

②譲渡(法人との取引の場合)

③相続・贈与

3パターンの取引があるのです。

※本ブログでは理解を優先し詳細なパターンは省略いたします。

 

「だからといって、誰と取引したって株価が同じでないと税務上問題になるのでは?

会社の顧問の税理士さんに、

いつも関係者であっても第三者と同じ金額で取引しないと

寄付金等の課税の問題が起こると言われるよ?

 

税金の種類が違う

おっしゃる通りです。

同じ資産は誰と取引しても同じ価格にしなければいけない

と考えるのが(税金上は)正しいのです。

 

しかし、3パターンをもう一度良く見てください。

取引を想定してみましょう。

個人個人へ売却して利益を得た。

個人法人へ株式を売却した。

から子供に株式を贈与した。

どうでしょうか?何か気付きましたでしょうか?

 

①は個人のもうけに対する所得税の世界

②は買った法人に対する法人税の世界

(詳細には個人側の所得税もありますが、複雑になるため省略いたします)

③個人間の無償による財産の移転、つまり相続贈与の世界

 

という3つの違った税金の世界があるということです。

 

みなさんご存じのように、

所得税は個人のもうけに対する税金、

法人税は法人のもうけに対する税金、

相続税(贈与税)は個人間の無償の財産の移転(取得)に対する税金

です。

これら3つの税金は全て独自のルールとなっているイメージです。

だから価格は違って当然なのです。

 

税金の種類によって、株価が変わる

さあ、それではどのような株価となるのでしょうか?

(税理士向けのブログではないため大まかな理解を優先し、詳細を省きます)

 

個人→個人の譲渡

①については、所得税に明確な規定はないので、いくらでも良いのですが、

実務的には相続税(財産評価基本通達)の世界の方法により計算されることが多いです。

つまり、これより安くても高くてもどちらかの個人が利益を受けるので、

贈与があったとみなされる恐れがあります。

※計算方法については、前月のブログを参照してください。

 

個人→法人の譲渡

②については、法人税(基本通達)の世界の方法により計算されます。

この方式によると相続税の世界の方法よりもかなり高めになることが多いです。

 

(参考)法人税法基本通達9-1-14(概要)
課税上の弊害が無い限り、

相続税の財産評価基本通達に下記3つの調整をして株価を算出します。

1.小会社方式を使う。

2.評価する法人が保有する土地と有価証券を時価評価する。

3.純資産価額の計算に当たり、評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除しない

 

個人→個人の贈与等

③については、もちろん相続税(財産評価基本通達)の世界の方法により計算されます。

 

純粋な第三者同士の場合は?

当たり前ですが、純粋な第三者同士(この言葉もかなりシビアにとらえます。

ここでは省略)の取引であれば、上記3つ以外の経済合理性に基づく価格となります。

 

もうみなさんお腹いっぱいだと思いますのでここまでにしたいと思います。

非上場株式はとても深いです。

もっと詳細があります。

くれぐれも税理士に相談せず株式の移動を実行することが無いようお願いいたします。f:id:supt:20171005112520j:plain

その他Vol.14 減価償却費と特例 ~少額資産の取り扱い~

減価償却費と特例

~少額資産の取り扱い~

 その他トピックスVol.14

 

こんにちは、SUパートナーズ税理士法人の木下です。

 

 

いつもご愛読いただき、誠にありがとうございます。

今年最後のSUレターとなりました。

1年過ぎるのは本当に早いですね!

 

さて、今週のテーマは減価償却についてです。

 

建物や電気設備、エアコン、パソコン、椅子など、

時の経過等により価値が減っていくものを減価償却資産といいます。

 

この減価償却資産は購入時に経費(費用)とすることができるでしょうか?

確認していきたいと思います。

 

原則的取扱い

減価償却資産を取得した場合、取得価額をそのまま費用にすることはできません。

一度固定資産に計上し、その使用する期間(耐用年数)にわたって各年に費用を按分する必要があります。これを減価償却と言います。

 

例えば、12万円のパソコンを購入した場合を見てみましょう。

パソコンの耐用年数は4年ですので、1年間に費用となるのは、

12万円÷4年=※3万円となります。

つまり取得価額が全て費用になるのに4年かかるという事です。

※定額法(毎年同じ費用を計上する方法)の場合。その他に定率法(耐用年数の前半に、費用を大きく計上する方法)などがあります。

 

耐用年数は国税庁のホームページで確認できます。

https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34353.php

 

 ここからは、減価償却の特例です。

少額減価償却資産は即時償却

取得価額が10万円未満のものや使用可能な期間が1年未満のものについては、

取得した年に取得金額を全て費用にすること(即時償却)ができます。

 

一括償却資産は3年間で按分

10万円以上のものでも、20万円未満のものについては、

一括償却資産として、3年間で費用にすることができます。

 上記のパソコンの例だと、1年間に費用となるのは、12万円÷3年=4万円で、

原則による減価償却よりも費用を大きく計上できます。

 

廃棄時等には不利になる

一括償却資産は、廃棄や売却したとしても、

3年間にわたって費用にする必要があります。

上記のパソコンを2年目で廃棄した場合を見てみましょう。

原則による減価償却ですと、

2年目で費用化していない9万円(=12万円-3万円)を全て費用とすることができます。

しかし、一括償却資産の場合、2年目にも4万円、3年目にも4万円と、

たとえ廃棄等していても廃棄等がないものとして費用に計上していくことになります。

 

中小企業者等は30万円未満で即時償却

青色申告をしている※中小企業者等については、

取得価額が30万円未満のものを購入した年に即時償却することができます。

 

ただし、年間として取得価額の合計が300万円までとなります。

たとえば、28万円のパソコンを11個購入した場合、10個までは即時償却できますが、

11個目は300万円を超えるため、即時償却できません。

 

※中小企業者等とは、

資本金が一億円以下の法人で常時使用する従業員の数が1,000人以下のもの。

ただし、資本金が1億円超の法人に支配されている場合などには該当しません。

個人事業主の場合は、常時使用する従業員の数が1,000人以下のものが中小企業者となります。

 

 

中小企業者等の特例と一括償却資産

さて、ここで問題となるのが、

上記の中小企業者等が10万円以上20万円未満の減価償却資産を取得した場合です。

20万円未満なので一括償却資産として3年償却できますし、

30万円未満でもあるので即時償却もできます。

選択できるのなら、即時償却した方が有利なように思われますが、

実はそうとは限りません。

 

年間300万円を超える場合

中小企業者等の規定は、年間300万円しか即時償却できません。

したがって、大量に資産を購入した場合には、

20万円超30万円未満の資産を優先して即時償却し、

10万円超20万円未満の資産は一括償却資産を選択した方が有利となります。

 

償却資産税について

償却資産税についても考える必要があります。

建物や土地なら固定資産税が、車両なら自動車税がかかります。

それと同じく、機械や構築物、器具備品などについては償却資産税がかかります。

課税標準額年間1.4%の税額となります。

 

パソコンなどを購入すると償却資産税がかかるのが原則ですが、

10万円未満で即時償却をしたものや一括償却資産を選択したものについては、

償却資産税の対象外となります。

一方、30万円未満の即時償却を選択した場合、償却資産税はかかります。

一括償却資産ですと、費用化に3年かかるが、償却資産税がかからないのです。

 

なお、課税標準額の合計が150万円を超えない限りは、

償却資産税は免税となります。

あまり資産を取得されない方は、償却資産税を考慮する必要はありません。

 

取得単位について

10万円未満などの判定は、通常1単位として取引される単位ごととなります。

例えば、応接セットの場合、通常はテーブルと椅子が1組で取引されますの

で、

1組で10万円未満かどうかの判定となります。

 

事業の用に供する必要あり

様々な費用処理の仕方をお伝えしましたが、

上記の規定は取得した年に事業の用に供する必要があります。

そのため、使わない資産をたくさん取得したとしても、

節税対策にはなりませんのでご注意ください。

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国際税務Vol.14 不動産の売主が非居住者だったら?

不動産の売主が非居住者だったら?   

源泉徴収義務!?~

国際税務Vol.14

 

こんにちは。SUパートナーズ税理士法人の宮崎です。

 

 オリンピックが近づいてきて、不動産価格も上昇しているみたいですね。

平成29年の路線価では銀座の土地がバブル時代の価額を超えたようです。

 

そのような中で、現在は、外国人の方が日本の不動産を購入する動きも活発です。

また、オリンピックが近いため、逆に不動産価額は上がらないと見ている外国人の方は、

不動産を売却して利益を確定する動きも出てきているようです。

 

日本居住者が、不動産を購入した場合、

日本居住者同士の売買であれば税務上の問題はそこまでありませんが、

売主が非居住者だった場合は、税務上の注意が必要になります。

 

それは、買主に源泉徴収義務があるということです。源泉徴収税率は10.21%です。

 

この点、以前のSUレターVol.13でも紹介させていただきましたが、

詳しい内容を教えてほしいとの声がありましたので、

今回は詳細に説明させていただきます。

 

例えば、

居住者Aさんが、非居住者Bさんから日本の不動産を1億円で購入したとします。

その場合、Aさんは、非居住者Bさんに源泉所得税1021万円を差し引いて

税務署に納付しなければなりません

Aさんが非居住者Bさんに支払う売買代金は、

1021万円を差し引いた8979万円になります。

そうです。1億円をBさんに支払ってはいけないのです。

 

なぜ、このような制度になっているのでしょうか。

もともと、非居住者が、日本の不動産を売却して利益を得た場合、

売却益に対して申告の上、税金を納付する義務があります。

その税金は、非居住者が個人の場合は所得税、法人の場合は法人税です。

しかし、非居住者が日本で申告納付せずに、

海外へ売り逃げしてしまう事例が頻発したため、

平成2年に源泉徴収制度を導入しました。

これにより、源泉徴収義務は買主である居住者になるため、

非居住者が売り逃げしてしまっても、

税務署は日本の居住者から税金を徴収すればいいというわけです。

 

そこで疑問ですが、

相手が非居住者か分からない場合もあり得ます。

その場合でも源泉徴収義務が居住者にあります

それは、裁判例もあります。

平成23年3月4日東京地裁では、相手が非居住者か分からなかった事例が争われました。

この事例では、相手が非居住者かはよく確認すれば容易に分かるはずだ、

という判決が下されました。相手が非居住者か否かは、

例えば、

・売買契約書

・不動産登記事項証明書

・印鑑登録証明書等

・本人への直接確認

により、「容易」に分かるというものです。

 

「容易」には分からないこともたくさんあると思いますが、

確認義務を買主に転嫁して税金の徴収漏れだけは防ごうという恐ろしい制度だと思いました。

皆さんも不動産の買主の素性には気を付けてくださいね。

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相続・事業承継Vol.14 株価が3種類もある!?~基本的な株式評価の方法について~

株価が3種類もある!?

相続・事業承継Vol.14

~基本的な株式評価の方法について~

 

こんにちは。SUパートナーズ税理士法人の乾です。

 

今年ももう12月に入りましたね。早いものです。

この時期になると税理士業界では気になることが2つあります。

1つは忘年会!・・・ではなく、下旬に発表される税制改正の大綱です。

 

そしてもう一つは税理士試験の合格発表です。

普通の人は12月と言えばクリスマスでしょうが、

私たちは合格して何年経っても12月と言えば税理士試験の合格発表、

と思いついてしまう悲しい性です。。。

 

それはさておき今年の税制改正では、

事業承継税制の大幅な緩和がされるかもしれません。

情報が入り次第関係される皆様にはお知らせする機会を設けたいと思います。

 

株価が3種類?

さて経営者の皆様は自社の株価がいくらかご存知でしょうか?

上場会社ですと株価は1つですが、

非上場会社の株価は場面により3つあることを知っていらっしゃいますか?

 

その内容を3回にわたりご紹介してまいります。

まず今回は非上場株式の基本的な計算方法についてです。

平成29年改正による影響も確認していきたいと思います。

 

評価の基 財産評価基本通達

まず株価計算について書いてあるものに、

相続税の「財産評価基本通達」というものがあります。

これは法律ではなく税務当局のなかでの内部文書です。

行政を行う上でのガイドラインのようなものですね。

通達の178~189に「取引相場のない株式」についての規定があります。

イメージをつかんでいただくために大まかに記載致します。

 

2つの評価方式について&大中小会社について

類似業種比準価額方式純資産価額方式という2つの計算方法があります。

(そのほか少数株主のために特例として配当還元価額方式がありますが、

ここでは割愛します。)

 

・類似業種比準価額というのは、同業種の上場会社の株価と比較して評価する方法です。

・一方、純資産価額というのは、会社の資産から負債を差し引いた純資産をもとに評価する方法です。

 

通達の一定の基準(売上、従業員数、総資産価額)によって、

対象となる会社を大・中(中の中でも3つに分かれます)・小に区分します。

 

大会社は類似、中会社は類似と純資産の折衷、小会社は純資産で評価するといったイメージです。

このように話しますと

「うちは上場会社ではなく、小さな会社だから純資産価額だな」

と社長様が謙遜も込めて話されることが多いです。

 

しかし、一般的には類似業種比準価額<純資産価額となることが多く、

そうなると中小企業の社長様は逆に

「何とか類似にならないものか?(大会社に近づけないものかと)」

と税理士に相談されます。

やりようがある場合もあります。

 

類似業種比準方式の算式

では類似業種比準価額の算式を見てみます。

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Aは同業種の上場会社の株価を持ってきます。

もちろん自由に持ってこられるわけではなく国税庁が発表しているものを使います。

かっこ書きの中の、

B(配当)、C(利益)、D(純資産)は、同業種の上場会社の要素を持ってきます。そしてb、c、dが自社の要素となり、

上場会社との対比で比率を計算することになるのです。

b、c、dが小さければ株価が下がるということになりますよね。

 

平成29年税制改正の影響

H28年までは下記のように利益の比率部分を3倍して計算する形となっていました。

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そのため利益が順調に出ている会社の株価は高く評価されていましたが、

税制改正により納税者有利になったと言えるでしょう。

一方、現在の業績は芳しくはないが過去は儲かってしょうがなかった、

というような会社は、純資産がたまっているかと思います。

そのような会社は今までより株価が上がる傾向ではないかと想定しています。

 

もう一つ影響がある改正があります。

比較対象となる上場会社の要素ですが、税制改正により

上場会社の「単体決算」の数値から「連結決算」の数値へ

と変更となるため現況では数値自体が高くなる傾向にあります。

これは株価評価の方向性としては下がる方向となり納税者にとっては有利となります。

 

 

改正による自社の株価の影響を知っておくことは事業承継対策や相続対策においては必須です。

株価評価を再計算されることをお勧めいたします。

 

さて来月はいよいよ!3つの株価についてお話ししてまいります。

 

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その他Vol.13 たま土地と消費税 ~決算までに承認を~

たま土地と消費税

その他Vol.13

~決算までに承認を~

 

こんにちは、SUパートナーズ税理士法人の木下です。

 

今週は消費税がテーマのSUレターです。

会社の移転によって敷地を売却するなど、たまたま土地を譲渡した際

消費税に気をつける必要があります。

ご存知の通り、土地の譲渡について、消費税はかかりません・・・が

実は、負担する消費税が増える可能性があるのです。

 

そういった「たま土地」ですが、

届出書の提出により、消費税の負担が少なくなるかもしれません。

 

 

簡単に消費税の仕組みをおさらい

受取った消費税から支払った消費税を差し引いたものが、納付する消費税となります。

 

ただし、課税売上割合が95%未満ですと、原則として、次のように計算します。

 <受取消費税>

-<課税売上に要する支払消費税>

-<課税&非課税売上に共通して要する支払消費税✖課税売上割合

=<納付消費税>

 

課税売上割合とは?

課税売上割合とは、簡単に説明しますと、

<課税売上>が<総売上(※)>に占める割合

のことです。

(※)総売上=課税売上+非課税売上

 

課税売上割合が高いと、上記算式より、納付する消費税が少なくなり、

課税売上割合が低いと、納付する消費税が多くなります。

 

土地の譲渡で納税が増える!?

ここからが本題です。

土地の譲渡については、非課税売上に該当します。

すると、上記<総売上>のみが増えるので、課税売上割合が大きく下がる恐れがあります

課税売上割合が下がると、

受取消費税から差し引くことができる支払消費税が下がりますので、

納付する消費税が増えてしまうのです。

 

高額資産の取得でさらに増える!?

さらに、過去3年以内に100万円以上の建物などを取得している場合にも影響があります。

詳細は割愛しますが、

このような資産を取得してから3年間の課税売上割合が著しく減少した場合

支払消費税が減額調整される規定があります

 

つまり、土地の譲渡により課税売上割合が著しく下がると、

納付する消費税がさらに増える恐れもあるのです。

 

たま土地による負担を回避

”移転のためたまたま土地の譲渡を行ったのに、消費税の負担が増えてしまう。”

そういった、”たま土地”により一時的に消費税の負担が増えないよう、

次のような規定があります。

 

「準ずる割合による計算」

「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を税務署に提出し、

承認を受ける事によって、

課税売上割合の代わりに課税売上割合に準ずる割合を使用することができます。

課税売上割合に準ずる割合は次のいずれか低い割合です。

 

過去3年間の通算課税売上割合

(=過去3年間の課税売上高の合計/過去3年間の総売上高の合計)

前期の課税売上割合

 

どちらも土地の譲渡に関係ない期間の課税売上割合となるので、

土地の譲渡による影響を受けずに消費税を計算することができます。

 

 

承認を受けるための要件

”たま土地によって今期だけ課税売上割合が下がったこと”

を税務署から認められる必要があります。そのため、

・土地の譲渡が単発であること、

・譲渡がなかった場合に事業の実態に変動がないこと(※)

が要件となります。

(※)事業者の営業の実態に変動がなく、かつ、

過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内

である場合

 

細心の注意を

この規定は、

適用を受けようとする事業年度中に税務署からの承認を受ける必要があり、

この承認には約1か月~2か月かかります

そのため、決算間際の譲渡を予定している場合、注意が必要です。

 

また、翌期において

「消費税課税売上割合に準ずる割合の不適用届出書」

を提出する必要があるので、ご注意下さい。

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国際税務Vol.13 外国との取引は要注意! ~源泉される側からする側へ~

外国との取引は要注意!

~源泉される側からする側へ~

国際税務Vol.13

 

こんにちは。

寒暖差の激しい昨今体調管理が難しいですね。

 

インターネット環境のおかげで気軽に海外の情報が手に入り、

仕事、プライベートともに海外の企業や個人と接点を持つ機会も増えてきました。

しかしながら税務上はいろいろ国内とは異なる取り決めがあり注意が必要です。

どんな時に気をつけたらいいのでしょうか?

 

さて今週は外国(会社、人)との取引がテーマのSUレターです。

 

源泉所得税に要注意

外国の会社や外国に居住する個人と取引をする場合、

日本の会社や日本在住の個人と取引を行う時よりもより注意深くなる必要があります。

税務においては、源泉所得税が大きな注意点の一つとなります。

 

源泉所得税とはそもそも税金の取りもれを防ぎたいとの趣旨からあるものなので、

取りもれのリスクの極めて高い外国会社、個人には独特の規定が設けられています。

 

例えば外国親会社への支払利息

例えば外国の親会社から貸付金を受けそれに対する利息を支払う場合、

無意識に利息全額を送金してしまうとアウトです。

送金の際源泉徴収をし、税引後の金額を送金しなければなりません。

ただし、租税条約の規定により源泉徴収が免除されたり、

減額されたりする場合もあるため、

相手国との租税条約を確認して事前に手配することが重要となってきます。

 

外国人オーナーへの賃料支払

外国人がオーナーの不動産の賃料を支払う際も同様に源泉徴収が必要となります。

外国に住んでいるから日本の税金は無関係・・・とはならないので厳しいですね。

 

個人でも要注意

このような外国との取引に注意をするべきなのは会社だけかと思いきや、

個人の場合も源泉しなければならないことがあるので要注意です。

サラリーマンの場合、自分の給与から源泉はされても、

自分が源泉することなんてまず考えませんよね・・・

でも、不動産投資をしようと思い立ち、外国人が所有する不動産を購入する場合、

たとえ買主が個人であっても源泉徴収をしなければなりません。

対価から10.21%を差し引き、その分を対価の支払をした日の

翌月10日までに税務署へ納付する義務があります。

 

ただし、その購入が自らの居住用のための場合、

または不動産の購入価格が1億円以下であった場合は源泉徴収は不要となります。

 

購入代金を分割で支払った場合でも、

対価自体が1億円を超える場合はその都度源泉徴収が必要となります。

 

これを知らずに全額送金してしまうと、

あとで税務署から指摘を受けた場合買主がかなりの税額を払わなければならなくなり、

また後から外国人にその分を請求して払ってもらうことが難しくなることも

想定されますので、くれぐれも注意が必要となります。

 

次回、不動産売買があった場合についてより詳しく、

事例を交えてご紹介したいと思います。f:id:supt:20171002144134j:plain